アース・アーキテクツ一級建築士事務所
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高断熱の住宅について少し考えてみます。
熱の伝わり方には熱伝導、対流、輻射があります。
熱伝導は物質を通して熱が伝わることをいいます。
対流は空気や液体などの流れによって熱が伝わることを
言います。
また輻射とは遠赤外線などの電磁波によって熱が伝わる
ことを言います。
現在使われている「断熱材」のほとんどは「熱伝導」と
「対流」に対しての性能が評価されています。
冬季は太陽による熱線(遠赤外線)が弱いので「断熱材」
が効果を発揮して、「高断熱の家」が暖かくなります。
逆に夏の暑さは「太陽光による遠赤外線(電磁波)」に
よるところが大きく、断熱材が冬季ほど性能を発揮でき
ません。
夏の「太陽による熱線(遠赤外線)」を遮るには「遮熱
材」が一番適しています。
夏の熱線の80%は屋根面に集中すると言われていますの
で、「遮熱材」を屋根面に施工すると、太陽の熱線(遠
赤外線)から住宅を守る事が出来ます。
「遮熱材」は主にアルミを表面の融着したシートで銀色
をして「熱線=高温・低温共」に対して有効に働きます。
ガルバリウム鋼板もアルミを55%含んだものでメッキし
ていますので、シルバー色(素地)を屋根面に施工する
と「熱線(遠赤外線)」に対して有効に働きます。
断熱材はは熱を断つ工法ではなく、熱を蓄える役割を持
った材料です。要は断熱材自信が熱を蓄えることによっ
て、熱の伝達を抑えているのです。
断熱材自信が熱を蓄えると言うことは、「夜になっても
家の中だけが暑い」と言うことが起きます。
冬場であれば問題はありませんが、夏場ではいくらエア
コンを掛けても部屋が涼しくなりません。
特に繊維系の断熱材(グラスウール等)はボード系の断
熱材に比べて貯めた熱を放出しやすいと言われています。
出来れば天井裏(屋根面)にはボード系の断熱材を施す
のがいいと思いいます。
「熱線対策」としては、先の「遮熱材の施工」以外にも開
口部からの「熱線」の侵入を防ぐことも大切だと思います。
具体的には南面は「庇・軒の出」による太陽光の遮断、東
西面はLow-eガラスの使用が重要だと思います。